第309飛行隊 C格納庫

卯月薫(うづき・かおる) アマチュア小説書き&ゲーム実況(はてなプロフに各URLあり〼)。マンガ、アニメ、映画、小説、ミリタリー、警察、TRPG、猫、ゲームなど。たまに自炊画像。  ※注意※  不適切なコメントは予告なしに削除する場合がありますのでご了承下さい。リアルの常識などは言うに及ばず、ネチケットもしっかり守りましょうw since 2005.12.22 当ブログはAmazonアフィリエイトを利用しています。

『心理学者、裁判と出会う―供述心理学のフィールド』

心理学者、裁判と出会う―供述心理学のフィールド

心理学者、裁判と出会う―供述心理学のフィールド

 久々に読んだ犯罪心理学に関するテキスト。あー、面白かった。
 このテキストは、犯罪心理学の根幹を成す3つの研究分野(犯罪者について、被疑者について、市民について)のうち、被疑者に焦点をあてたもので、主に裁判や再審請求における供述調書をいかに心理学的に読み解くか、について書かれている(そういう意味で、この本は学術書ではないといえる)。もちろん、本の最初は自分達がいかにしてこのような仕事(?)に関わるようになったかや、鑑定書の分析に必要な諸理論の説明などに終始していて堅苦しさを感じるが、あとのほうに出てくる実際の鑑定内容の一部を紹介しながら読み解く時に、その説明がじわりと効いてくる事は否めない。まあ、確かにより深く知るには認知心理学系の理論や用語を知っておいたほうがいいが、そうでなくともある程度は読める。わりと優しいテキストだと思う。何より、著者が苦労に苦労重ねながらその鑑定書に見合った分析方法を探していく姿にはかなり感情移入してしまう。


 余談かもしれないけど。この時に書いた「エスノメソドジー」がこの本では大いに取り上げられているので、なんというか関心を満たされて私は大満足したのでした。
 ……なんか小説の感想みたいになったな。別に書き分けようとは思ってないけど。