第309飛行隊 C格納庫

卯月薫(うづき・かおる) アマチュア小説書き&ゲーム実況(はてなプロフに各URLあり〼)。マンガ、アニメ、映画、小説、ミリタリー、警察、TRPG、猫、ゲームなど。たまに自炊画像。  ※注意※  不適切なコメントは予告なしに削除する場合がありますのでご了承下さい。リアルの常識などは言うに及ばず、ネチケットもしっかり守りましょうw since 2005.12.22 当ブログはAmazonアフィリエイトを利用しています。

誰しもいつかは通る道!? ツーリング

私の所属しているツーリングクラブのいい所は、文芸部風(?)に言うと「事前にはっきりと決まってなくともとりあえず今いるメンツだけでセッションしようか」という感じでツーリングへ出かけちゃう事かな。そんなわけで今回も具体的な事はほとんど決定していないにもかかわらず、いつもの集合場所には私を含めて5人のメンバーが揃ったのでした。
で、肝心の行き先について、約1名は「筑波!」などと考えていたらしいのだけど、いかんせん遠い! それってロングツーリングレベルじゃん! 今日はプチツーのつもりで来たのに! などなどのブーイング(?)に後押しされて「ばんや」へ昼食を摂りに行ったのち、クネクネ*1を楽しんで帰途へつく、というプランで落ち着いた。
ルートは穴川から高速に乗って「ばんや」のある金谷*2まで一直線!*3 さすが行きはひたすら下道オンリーだった館山へのツーリングの時と違って早い早い。近頃諸事情により腕時計を持っていなかった私には正確な時間を知る由もなかったけれど、1時間半もかかってなかったんじゃなかろーか。もちろん、天気のよかったこの日、高速をただ走るだけじゃなく美しい景観も満喫してきたぜ!


目的地である金谷インターで高速を下り、127号線へ合流するランプで事件発生! 現場はバンクのあるやや急な下り右カーブ。いつも通り適度に減速しつつ車体を傾けてカーブに進入、そして難なく通過……のはずが、私のバイクはカーブの外側に向かってずんずん進んで行く。*4
「まずいっ!」
なんて思った時にはもう遅い。既にいくら車体をバンクさせようがカーブの壁との衝突は避けられない!
「こうなりゃ急制動だ! 壁の手前で止まれぇぇぇぇぇぇっ!」
教習所で教わった事を一瞬で体に呼び起こさせ、リアブレーキ6割、フロントブレーキ4割で9割ブレーキング!*5
その時、私の左手は――クラッチを、切っていた。*6
ずざざざざざざっ、と音を立てながら*7バイクはすんでのところでカーブを曲がった!*8 が、いかんせんクラッチを切っているので前後のブレーキだけでは勢いを殺しきれず、まるで足元をすくわれるように右へぶっ倒れた!*9


――それでも、両ブレーキは最大限仕事をしてくれたらしくバイクは路面を1メートルも滑らないうちに停止した。
が、ここからの私の動きは(同行のメンバーによると)凄かったらしい。私は教習所でずっとそうだったようにコケてもすぐさま立ち上がって倒れたバイクを起こしただけだったのだけど、それは“公道でコケた人間がすぐにできる対処”ではないのだという。私はその話を聞いて「ほう、そういうものなのか」と逆に驚かされた。いくらバイクに乗るのがうまい人でも1度くらい公道でコケるし、コケても体の自由がきくなら後続車に愛車が轢かれないようにすぐにバイクを起こすだろう、というのが私の認識だったからだ。*10


話を戻そう。ランプの出口で信号待ちをしていたメンバー、私の後ろを走っていたメンバーが次々に駆け寄ってくる。その時には私はほぼバイクを起こしきっていて、「あーあ、また右にコケちゃったな」などと考えていた。駆け寄ってきてくれたメンバーに体の負傷具合を確認され(これについては交通事故によくありがちな“その場は大丈夫でもあとからキターッ!”という事にならないように自分でも注意深く自身の体の声に耳を傾けていた)、続いてバイクの損傷具合を確認された。バイクはそれなりに酷い状態で、この前変えたばかりのブレーキレバーは先端が傷だらけになり、右ウィンカーにいたってはカバーと電球が全損の有様。他はマフラー、ブレーキペダル、バンクセンサー(プラス、ステップラバー下側の金具の曲がり)、右グリップエンド、右バックミラーカバー、スピードメーター下部に真新しい傷が刻みこまれていた。ハンドルも左側が前に突き出すように曲がってしまっている。それでもクランクケースやエンジンが無傷だったのは、もう天に感謝しなければならないだろう。
対照的に体のほうは右膝の擦り傷と、同じく右膝の内側にできた大きなアザのみ。過去に2回(2.5回?)の骨折を経験した事のある私にとって、こんなものは大した痛手であるわけもなく……明らかにバイクのほうが重症なんじゃないだろうか。*11


とりあえずここは道路、という事で近くのコンビニまで移動。曲がったハンドルでバイクを操るのはそれなりに恐怖だったが、コンビニの駐車場にてメンバーの荒療治によりハンドル復活。うあ、これはスゴイ! 一体どんな技だ!?
と、目的地「ばんや」はもう目と鼻の先。たとえ初めて公道で転んで小学生の時の悪夢再臨としか思えない傷を負っていたとしても腹は減るんである。
「ばんや」は混んでいた。まず普通の昼時の飲食店よりは確実に混んでいる。*12ごった返す店内に設置された名簿に代表者の名前を書いて待つ事しばし、座敷の席が回ってきた(個人的にはテーブル席がよかった)。そうしてようやく昼ご飯にありつく面々なのであった。

↑私が注文したイカフライ定食。さすが漁協直営の食堂、量が多い。残した料理を持ち帰る事ができるのは便利だ。ちなみに「イカフライ定食」というメニューはお品書きには存在しないので、「イカフライ」に+250円(だっけ?)してご飯とみそ汁とお新香をつけてもらわなければならない。これで830円。値段と食材の鮮度は比例する、実にウマいイカフライであった。

↑左から「イカかき揚げ丼のかき揚げ」*13「タチウオの刺身」「鯵のなめろう」。魚好きにはたまらないメニュー。地魚ってやつ。

↑アジフライ。この辺のスーパーで売っているものとは雲泥の差。青魚独特の臭いもほとんどしない。私は箸をつけなかったけれど。食べときゃよかった!

↑海老天重。たぶん画像が悪くてよくわからないと思うんだけど、ここの天ぷらはどれもデカイ! 海老天とご飯のコラボレーションを心ゆくまで味わいたい人にはおすすめ。

↑「ばんや」の駐車場のすぐ向こうは海になっている。といっても漁港があるわけではないのだけど、潮の匂いはどこか落ち着く。


食後はしばし自由行動をするメンバー。「ばんや」の建物入り口前には露店があって、そこで干物(本当に色んな魚の干物がある!)を物色する者、食後の一服をする者、アテもなくブラブラする者……。私はというと、とりあえず靴紐を締め直してトイレに行ったあとアイスが売っているお店を探した。某メンバーがアイスを奢ってくれる事になっていたからだ(笑) 私が「こっちこっち!」と某メンバーを引っ張っていったら他のメンバーまでついてきてしまって、気がついたら全員が海を見ながらアイスを食べているという状況になった。なんなんだろう、この順応能力……。


「ばんや」をあとにした一行は市内を抜けて県道88号線へ。舞台はついにツーリング後半のクネクネへに突入したのだけど、当然の事ながらこの道はこの道で前回とはまったく違う攻め方(なんて言うのもおこがましいが)をしなければならないのが辛かった。上りも下りも、今回は辛かったぜ。山道の新たな驚異の片鱗を垣間見た!
もっとも、今回は旅の始めに私と私の愛車が負傷していたせいで、隊列を崩すような速度とペースでクネクネする事もなかったのだが。つまり私はひとりでテンパっていたのだ(泣)


気がつけば道は16号に入っていた。そろそろ帰宅ラッシュ、という事もあり、道路は混み始めている。……って、一般道のスリスリヌケヌケが苦手な私はどんどんメンバーに離されている! 「やばい、これでは本当に足手まといだ!」などと思わなかったわけでもないけれども、それなりに焦った。一応「浜野の2りんかんで一旦休憩」という事になっていたのだが、私はその場所を知らなかったり。ナビ役を務めてくださった某メンバー、本当にありがとうございました。
そして昼食後の眠気を今まで持ち越している私はナビメンバーのあとを追いながらここにきて猛威を振るい始めたそれと必死に戦っていた(笑) ナビメンバーの「大丈夫?」という問いに首を傾げて“寝たフリ”をしてみせた私に「寝たら死ぬぞ!」と苦笑しながら返してくれた一連の流れはまるでコントだ。でも寝たら本当に死んじゃうもんねぇ(苦笑)
そんなこんなで2りんかん到着。マジで眠い。外にあるベンチで少しウトウトしようと思ってトイレから帰ってきたら既にベンチは喫煙組に占拠されていた。くそぅ。
と、ここで某2名のメンバーから破損していた右ウィンカーの電球がプレゼントされた。しかも取り付けまでやってもらっちゃった! おまけに話の流れでウィンカーレンズも割り勘してもらえる事になってしまった……。くぅっ、自身の不甲斐なさと人情が身に染みるぜ!


その後、某ファミレスで2時間程お茶して今日は解散。前回のクラブツーリングは軽く走っただけだったけれども、こうして半日をメンバーと共に過ごすのも凄く楽しい。願わくば明日の天気が晴れ、いやいやせめて1日中曇りになりますように。今週の月曜の予報によれば黄金週間はオール晴れになるはずだったのにこの予報の変わりようには文句のひとつも言いたくなるんである……って、それはちょっと気象庁がかわいそうかも。


余談だけど、この前の館山へのツーリングの時に私は「ばんや」の前を通ってたんだなあ。あの時はひたすら海ばかり見ていたからこんな所に食堂があるなんてまったく気がつかなかった。いつかゼミのバイク好きメンバー、もしくは同期の友人達とここを訪れてみたいものなんである。*14
むむう、福島へ遠征に行く前に南房を制覇しておきたい、*15なんて思ったりして。

*1:ワインディングの意。うちのクラブではこういう言い回しをする。

*2:金谷(かなや)は千葉県富津市(ふっつし)鋸南町(きょなんまち)にあり、大半の人々は今も昔も漁業によって暮らしを支えている古き良き港町なのだ、という事を南房にあまり明るくない読者のために解説しておこうw

*3:休憩は市原SAのみ。

*4:この日の私は朝からご多分に漏れず、時たまぼーっとする事があったのだけど、それが今回はとてもよろしくないタイミングで起こってしまったのだ。迫り来るカーブがまるでスローモーションのように見えた。

*5:フルブレーキングしなかったのは急制動の効果でたとえ刹那でも進路を変えるチャンスを掴もうと思ったため。それにタイヤがロックしてしまうとそれこそ転倒の危険が増す。

*6:過去ログを読んでもらえばわかると思うけれど、急制動の際はたとえエンストの危険をはらんでいたとしてもクラッチを切ってはいけないのだ。あとで事件の時の事をメンバーに詳しく話している時にそれを指摘され「そうだった!」と思い出した。忘れていたわけじゃないんだけどな〜(汗)

*7:道路の端というのは往々にして砂利や砂がたまっていたりする。

*8:我ながらまさか曲がりきれるとは思わなかった。「これはもう(壁に)ぶつかったな」と観念したくらいだったから。

*9:後続のバイクに乗っていたメンバーによれば「膝の皿くらいは折ったな」と思えるような転び方をしたらしい。ちなみに、自分では人間もバイクも極力傷つかない転び方をしたつもり。

*10:曰く、普通はもっとケガを痛がったりコケた事を恥ずかしがったり、ヘコんだりするんだそう。

*11:カーブ手前から減速していたのが幸いして、転倒する直前のスピードは45キロもなかったはず(メーターがイカれているため正確には不明)。だからこんな軽症ですんだのだと思う。とはいえ、いかに“なるべくケガもキズもつかないように転んだ”と言ってみたところで結局は偶然の産物なのでこれには懲りておくべきだろう。

*12:なんでもテレビの取材を受けた事があるとか。「アド街」かな、確かに過去に富津を特集した事があるような気がする。その回は見てないけど。

*13:かき揚げの量が驚くほど多いので皆でつついた。

*14:みんなもっとバイクや車に乗ればいいのに。

*15:色んな意味で(笑)