『青空の卵』

青空の卵 (創元推理文庫)

またまた友人から薦められた一冊。最近は薦められてばっかりですな、読む本がないわけじゃないんだけどね。むしろ一向に積読が減らなくて相変わらず困ってる(苦笑)

で、感想。実は今回この本を読んで考えた事や思った事は巻末に収録の解説とほぼ同じ内容だったりする。自分でもかなりびっくりしたのだけど、それだけ内容がわかりやすいという事か。
生い立ち、いじめが原因でひきこもりになってしまった鳥井真一（とりい・しんいち）と、その鳥井が唯一心を許す友人、“僕”こと坂木司（さかき・つかさ）。これは、そんな２人が毎度ひょんな事から出会う人々の抱える問題を解決する（というと少し語弊があるかもしれないけど）事を通して成長していく物語。――なんて書くとなんか心理学のテキストみたいだけど(笑)　いやー、でもこの本にはちょっとやられたなあと思うところがあって。レーベル名(?)から推理小説なんだろうと思っていたら立派にミステリーだったという。まあ、仮に推理小説だとしてもこれはよほど勘のいい人じゃないと自力で真相には辿り着けないんじゃないだろーか。話の進行の仕方が既に読者にヒントを与えて考えさせる内容じゃないからなあ。ま、“ミステリー”だから別にいいんだろうけど、と私は思っているw
それと、もちっと感情的な部分で思うところもあって。それはあまり詳しく書かないけれど、要するに鳥井も坂木も私の中にいるなあ、という事。これは……まあ、いいや。ヒトに聞かせるには面白くない話だ。
鳥井と坂木は社会人。なのに、半年くらい前までは学生だった社会人になりたての我々と通じる部分が多々あるのでおすすめ。社会人である事に疲れたら読んでみるといいと思う。