『警視庁捜査一課特殊班』
- 作者: 毛利文彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 文庫
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警視庁本部庁舎6階に、特殊班の所属する刑事部捜査第1課がある。正式名を特殊犯捜査係(SIT)といい、身代金誘拐・企業恐喝・立てこもり・ハイジャックを専門に受け持つ「刑事警察の特殊部隊」である。
彼らは「現在進行形」の犯罪に立ち向かうため、その技術・捜査体系・運用は門外不出であり、他の課とは一線を画す。
これは、担う任務の重大性ゆえ、世間に姿を現す事を許されない特殊班の全貌に迫った、真実の記録である。
○感想○
こんな犯罪捜査(というと少々語弊があるかもしれない)班があったことすら知らなかった私には、この本との出会いは衝撃的以外の何者でもなかった。過去の事件を克明に再現しつつ、特殊班と犯人の攻防、警察上層部の動き、指揮本部の指令などを時に当時の記録(例えば電話での会話)、関係者の証言等を交えて多角的に見つめており、事件そのものを知らなかったり、うろ覚えの場合でも話が時系列で進行していくので理解しやすい。また、日本警察の致命的欠陥や現場でのSATとの連携、予想される21世紀型犯罪への対応など、山済みする問題に対する特殊班の在りようについて、著者が自らの見解を述べている点も興味深い。
○思った事○
事件を時系列で追っているので、時にはだらだらと続く文章が読んでいて非常に苦痛になる。