『バウンティハンター 賞金稼ぎ 日本人ただひとり、殺しのライセンスを持つ男』
バウンティハンター 日本人ただひとり、殺しのライセンスを持つ男
- 作者: 荒木秀一
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2003/11/05
- メディア: 単行本
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これは、同業者から“カミカゼ”と呼ばれ、任務中は常にパイナプッル(手榴弾)を持ち歩き、今まで死体を連れ帰った事は1度もないFRA唯一の日本人の、真実の記録である。
さて、まずひと言。やっぱりアメリカはすごい! 「面白い!!」と読んでてわくわくする反面、絶対に追われる立場にはなりたくないな、と思った。なぜって、彼らFRAがターゲット確保に使用する武器や手段には、ほとんど制限がないからだ! ターゲットは全て“DEAD or ALIVE”指定で(もっとも、死亡した場合は受け取る賞金が減額されるが)、マシンガン使おうがアサルトライフル使おうが、ロケットランチャー持ち出そうが、自由。盗聴も監視も尾行も、非合法すれすれな事(一部は非合法なのかもしれない。バレなければ良いのだ)もし放題。恐ろしい……。とはいえ、まったくやりたい放題というわけでもない。FRAは保険に入れないし、その世界は実力重視そのものだ。何らかの理由で民間人を巻き込んでしまった場合は逮捕されるし、当たり前だが自分が逃亡犯になっても誰にも庇ってもらえないし、刑務所にも送られる(刑務所内はFRAに恨みを持っている連中の巣窟なので、入れられたが最後、生きて出られる事は滅多にない)。そういう、アメリカの犯罪者に対する考え方や対処法も見えてきて興味深い。
で、著者は自らの体験をそのまま本にしているわけだが、エピソードをそのまま持ってきているので読んでいてたまに「?」となる事があった。ただある程度筋道を立てて並べている感じ。時間の流れを追っていない。まあ、他に何か言うなら、句読点が少ないので文の意味の区切りが捉えづらいか。
この本には著者のこれまでの(主に日本での)人生や、人生観が時折出てくる。手榴弾を持ち歩いているのもそうだが、その生き方には正直“惚れる”(高校生時代のエピソードなんて、凄まじいのひと言に尽きる)。こんな人種がまだこの世にいたんだと、驚き、安心もした。文章とは直接関連はないけれど、写真が掲載されているのが嬉しい。
“漢”を見たい人には、オススメ(笑)