『まほろ駅前多田便利軒』
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 単行本
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友人からこの本の内容を聞いた当初は男と男のエゴとプライドがぶつかり合うハードボイルドな話を想像していたのだけど、これはあれですね、多田と行天に出会った人間達がどんな形であれ幸せになっていく話なのですね(幸せになれない人もいるけど)。で、最後はその主人公ふたりも各々の懊悩に決着をつけて幸せになっていくという。ちなみに、確か私は多田と行天が初めて由良公の出会う話が好きだった……と思う(何)
ストーリーの内容もさる事ながら、個人的に1年という時間を描くのは凄いなあと思ったり。ちょっと意味不明な文章だけど、要するに四季の書き分けが上手いという事。四季の書き分けって実は難しいんすよね。季節によって空気の匂いも、夕方の空の色も、真夜中の空の色も全然違う。1年という時間の流れを文字にしたかったらそれぞれの季節のそれぞれの瞬間をしっかり記憶しなければならない。それって実はとても難儀なのだ。
邪道な発想だけど、この本をドラマ化したらさぞ面白い絵が撮れると思うのだがどうだろうか。