『殺し屋シュウ』
- 作者: 野沢尚
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 文庫
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主人公は父親殺しの経験を持つ青年シュウ(これは通称名)。“父親殺し”というキーワードだけで心が躍ってしまう私である。そうだね、エディプスコンプレックスだね。
閑話休題。物語の形式としては、シュウにヤクザ相手に商売をしているなんとかっていう男(忘れた)が仕事を依頼し、シュウがそれをこなすというオーソドックスな殺し屋の話だ。オーソドックスな殺し屋の話なのだけどさすが普段は文学部の教授の元で助手をしているだけあってターゲットを殺す準備をする時のシュウの心理には文学的な思考がしっかり入り込んでいる、という描写が上手い。
ちなみに、シュウは殺しを終えたあとは必ずバーに言ってターゲットに相応しいカクテルを飲み、最後をブラッディーマリーで閉めるのだが、下戸である私には、たとえばソルティドッグのどこが今回殺したターゲットに相応しいのかまるでわからなかった。つきつめれば同じアルコールに違いないカクテルでも、カクテルごとに味は違うはずだし、その味がもしかしたらターゲットに相応しいという描写なのかもしれないので、誰か解説して欲しいものだ。