あーいやだいやだ……
なんだが最近頓に父親を価値観が合わなくなってきてるなあと感じる。まあ、合うところは合うんだけどね。でもただそれだけ。血が繋がっている分、それが余計にゴタゴタを助長させるのだ。
ついに来たか「バイク乗るの禁止」令。いやまあ、言われた直後は「ムダな事を……」なんて思ったのだけど、継がれた語句がほとんど脅迫に近い言説だったから私は言う事を聞かざるを得なくなった。自分の行動ひとつで愛車の運命が終わってしまうなら誰だって言う通りにするしかないだろう。それが非常に腹立たしい。
えーえー、わかってますよ、今の私は“学生以上社会人未満”だから社会人と同じ土俵に上って同じ振る舞いをする事ができないって事ぐらい。それは私がクラブに入った直後から痛感していた事だったし、バイトに通っている今だってなんらその差が埋まっていないって事は。だからって……今の私の唯一の楽しみを奪うのがそんなに楽しいですか。そっちから見ればただの現実逃避かもしれないけど、私とってはもはやこれは切っても切れない大切な人間関係。近所に友人や知人がいないせいで定期的に誰かと会う楽しみを知らないアンタには一生わからないかもしれないけどね。
――はあ、自分の不甲斐なさと苛立ちのはけ口のなさに頭が痛くなってくる。今すぐ自宅の階段から落っこちて足の一本でも折ってしまえばいいのに、自分。
結果としてこうなってしまったとはいえ、父親の言う事がどれほど正論かは私だってよくわかっているのだ。一体誰がこの家の管理人で、自分の衣食住を陰で支えているのが一体誰かと言う事を。私がやっているのは所詮タダ乗り同然なのだ、だから世帯主に言われたい放題でも仕方がないのだ。「家と生活の全てを自分が管理する」という覚悟が私にはないから。
しかしどうしても相容れない心と理性と感情。