『ナ・バ・テア None But Air』

ナ・バ・テア―None But Air (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)

『スカイ・クロラ』の続編（新書版）。とは言っても、『スカイ・クロラ』のその後ではなく、過去に遡り、カンナミの上司である草薙水素の若かりし頃（？）を描く。

水素がかわいい。基本的な性格はカンナミとそう変わらないのだが、ティーチャに抱く恋心や、同じくティーチャを気にかける比嘉澤に対する嫉妬、笹倉とのかけ合いなど、カンナミよりはずっと感情豊かな気がする（こっちの方が名前が出てくるキャラが多い、というのもあるかもしれないけれども）。水素がどのようにして基地の責任者に納まり、笑わない管理職に成長していったのかが、とても気になってしまった。
『スカイ・クロラ』後半の大規模空戦時に登場した黒猫（黒豹）の正体や、草薙瑞希の出生の謎もこの巻で明かされるので、まあ、『ナ・バ・テア』のための伏線だったのかな。

『スカイ・クロラ』を読んでいなくても充分楽しめる内容になっている。なので、刊行順番が特に気にならないなら、こっちを先に読む事をおすすめする（とはいえ、本当に自由にしてくれて構わないが）。