『ディバイデッド・フロント〈1〉隔離戦区の空の下』
ディバイデッド・フロント〈1〉隔離戦区の空の下 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 高瀬彼方,山田秀樹
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/05
- メディア: 文庫
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ま、このシリーズは正確にはミリタリーものじゃなくてSFバイオホラーなのだが。それも人為的系じゃなくて降って湧いた災難的な。つまり敵は人類にとって未知で、当然のように一筋縄じゃいなかくて、勝てる見込みがあるかどうかは正直絶望的、というようなストーリー。しかも主人公は10〜20代の男女、と要所を押さえてる。でもまあ、読む限り成就しそうな恋はひとつもなさそうだけど……。
以下、ネタバレあり。
なんだろう。毎日必死に戦って人類を守っているのは自分達なのにその守るべき対象に疎まれているというジレンマとか、決して面白くないストーリーじゃないのだけど、とにかくヒロインに感情移入しにくいのは致命的だと思う。なんか一気に白けてしまう感じだ。ヒロインの現状に対する気持ちはもっともだけど、それにしてもこれはやりすぎなような。途中から読むのが辛くなってしまった。それと、説明が説明的かつ長くて読みづらいなあと。もう少しなんとかして欲しかった。あとは……この本は一人称なのだけど、視点保持者が何人もいすぎだと思う。確かに、たとえば「ブラックホーク・ダウン」のようにひとつの戦場を多数の登場人物に語らせる事によって臨場感やリアルさを演出する事はできるけれど、いかんせん人が多すぎな気が。設定自体はよくできてるし、文章も悪くないからもったいないと思う。というか全3巻なのだけれども、はたしてきちんと完結できるんだろうか。とりあえず2巻に期待。