第309飛行隊 C格納庫

卯月薫(うづき・かおる) アマチュア小説書き&ゲーム実況(はてなプロフに各URLあり〼)。マンガ、アニメ、映画、小説、ミリタリー、警察、TRPG、猫、ゲームなど。たまに自炊画像。  ※注意※  不適切なコメントは予告なしに削除する場合がありますのでご了承下さい。リアルの常識などは言うに及ばず、ネチケットもしっかり守りましょうw since 2005.12.22 当ブログはAmazonアフィリエイトを利用しています。

He is gone.

愛猫ルカが死んだ。午前6時10分頃の事だ。ここ2日ほど床に臥せっていて、そろそろだと父親に言われていた。私自身今冬は越えられないだろうと今年早くに予期していたが、何も的中させる事はないだろう。享年13歳。今年の誕生日は迎えられなかった。サバトラの、臆病だけれども人懐っこくて主(あるじ)思いの優しいいい猫だったのに。筆舌に尽くしがたいショックだ。こんな気持ちになるくらいならこの先もう猫は飼いたくない。
最期は私が看取った。今日が休みだったからうとうとしつつも時折化粧水の容器をスポイト代わりに水を飲ませ、寝ずの番とばかりに傍で見守っていたのだ。恐らく痰を咽喉にからませた窒息死だと思う。呻き声を上げて苦しむをルカをなんとか助けたかったが指を突っ込んでも指先には何も引っかからない。力なくゆっくり落ちていく後ろ足を、目から命の光が失われていくのを私はただ見ていた。見ていた、というのは比喩だが無力だったのは事実だ。黄泉の国の寿命の蝋燭の炎がかき消えるのをどうしても止める事ができない。否、2日ばかりの間蝋燭が刻一刻と短くなっていく様子を見ているようだった。覚悟していたつもりでもそれは理屈と想像の幻想だった。
それから30分もしないうちにルカは冷たい土の下に眠る事になった。枯れ枝の寄せ集めのような体でもちゃんと重みがあり、まだ温かかった。土をかけながら自分はどうしてこんな事をしているのかと、どうしてこんな事になってしまったのかという思いにとらわれた。予報通り降り始めた雪が椿の枝葉に当たってかさかさと音を立てた。ビチコンの時は雨だった。たった一匹の猫のために天を泣かせる神には感謝するが、もちろんそんな事で慰められはしない。可能なら今すぐぶっ殺してやりたい。
どうかルカには幸せな来世が待っていて欲しいと強く望む。ルカ、私の大好きな猫。今まで本当にありがとう。うちで生まれくれてありがとう。うちに戻ってきてくれてありがとう。何もできなくて、何もしなくて本当にごめんな。先に逝ってしまったのはとても残念なのだけど、三途の川の向こう側のほとりにお父さんのタンゴとお母さんのビチコンとお姉ちゃんのミアとウルフおじちゃんが待っているといいな。私が死んだ時は迎え来てくれたら嬉しい。おやすみさない。