悪の洗礼
まあ、いつかそういう事もあるだろう（やられるだろう）とは思っていたけれど。
今日がその日だった。
中番が終わって休憩室に上がろうと外へ出ると、駐輪場にスクーターや自転車に混じってXRのミラーが……見えない？
「おいおい、ウソだろ」
私が使っている駐輪場は構造上、風の強い日はビル風のような強い横風が吹く。それでも倒れなかった。台風の日も同様だ。となれば、これはもう人為的なものとしか考えられない。もっとも、画像を見てもらえばその様子のおかしさは一目瞭然だが。
とりあえず、とばっちりを食ったらしい（接触はしていない）隣のエイプを先に起こし、それからXRを起こした。なかなかに汗だくになった。
要するに負けた客か同じ敷地内にあるディスカウントショップから流れてきたガキんちょの嫌がらせなのだ。
被害は……まあ、大抵の立ちゴケと同程度、擦り傷がついたりグリップの破れが若干拡がったり。倒れた側に大きい側溝の蓋があって、そこだけ地面が凹んでいたのも不幸中の幸いといったところか。右のシュラウドに新しい傷はなかったし、シートも無事だし、起こす時ちょっと助かった。
つうか、最初いつも以上になかなかエンジンがかからなくて「倒れた時にスロットルケーブルがどこかにひっかかったか、イタズラされたか？」と思ってそれっぽい所をイジって余計かかりが悪くなって、「なんぞ？」と考え直したらイジったのはキャブのアイドル調整ノブだったという人災つき(笑
ま、被害届は出さない方向性で。監視カメラのほぼ死角（足元しか見えない）だし、過去似たような事があってＫ察呼んでも「あー、こういう（監視カメラの）映像だと捕まえるのは困難ですねえ」という事が何度もあったそうだし。どうしようもねー、と思う。とはいえ、大して悔しかったり悲しかったりするわけでもない。もちろんそういう気持ちもまったくゼロではないけれど、バイク乗りとして“大人の階段”をまた一歩上ったかな、なんて思ったりもする。逆に、新たにこういう経験ができたからいつか友人が同じアクシデントに見舞われた時にアドバイスなりなんなりができるかな？ とか。
というかね、今夜の出来事で一番面白かったのは右手をグリップから離してもバイクが機速を失わない事だ。
「おほほ、ナニコレちょー便利w」
駐輪場から出る時、いつもの調子でスロットルを捻ろうとしたのだけれど、動かず。エンジンを切って、力を入れて回したらやっと動いてくれたのだった。それこそ、取り回しがおかしくなってケーブルがどこかにひっかかったのかと思ったのだけど、私じゃ原因がわからなかったのでそのまま帰宅したのだな。
……申し訳ない、卯月は予期せぬトラブルや出来事に遭遇すると“変なスイッチが入っちゃう”人間なのだ。ネタが降ってきた！ と喜んだのも否定しない。*1だから帰路ではずっとニヤニヤしていたし、帰宅してからはとーちゃんにハイテンションでこの件について報告した。
と、そこでようやくある事に気がつき、怒りがこみ上げてくる。
「って、明日仕事前に夢店行かなきゃならないじゃん！ 私の睡眠時間を削りやがって、超腹立つ！ヽ(`Д´)ﾉ」
明日は遅番だが……いや何も言わないでくれたまえ、憤慨ポイントがおかしいのは自分でも重々承知しているからさ(遠い目
